みなさんこんにちは!

今回は教科書を読んだだけではちょっとわかりにくい、誘導電動機と同期電動機の違いについて書いていきたいと思います。

 この違いを理解するには、フレミングの法則を理解しているとわかり易いので、まずはフレミングの法則について復習し、その後に誘導電動機および同期電動機についてそれぞれ見ていきましょう。

 ※今回は、あくまで違いを分かってもらうための記事なので、ポイントだけ載せています。それぞれの詳しいことについては、また別の記事に書きますので、そちらもぜひ読んでみてくださいね(^^

 

目次

1.フレミング左手の法則の復習

2.誘導電動機の仕組み

3.同期電動機の仕組み

4.まとめ

 

1.フレミングの法則の復習

 

 さて、中学の理科や高校の物理で習うであろう、磁束と電流の関係を示したフレミングの法則は皆さん覚えていますでしょうか?これが完璧、という方は、この項は読み飛ばしても差し支えありませんので、次の項まで読み飛ばしていただいて構いません。では、フレミングの法則について解説します。

 

 磁束の中にある導体に電流を流した時、この導体にはローレンツ力という力が発生します。この磁束、電流、ローレンツ力の方向には決まった関係があり、その方位関係をわかり易く示したのがフレミングの法則です。文章だとちょっとわかりづらいでしょうか。では、図1を見てみましょう(*^^*)

 

図1

1 ローレンツ力

 

 この図では、磁石のN極からS局に向かう磁束垂直方向で画面と垂直方向に電流が流れた時、向かって右側にローレンツ力が発生している様子がわかりますね。この方位関係は一定です。

 この位置関係は、人間の左手を使って表すことができます。図2を見てください。

 

図2

2 フレミング左手の法則

 

 左手の親指がローレンツ力Fの方向、人差し指が磁束の方向中指が導体を流れる電流の方向です。ちょっと図1で試してみましょう。

 まず磁束の向きは、当然磁石のN極からS極に向かって流れるので、フレミング左手の法則において磁束の方向を表す人差し指は、当然図1でいうと、上から下方向を指すことになります。

次に電流ですが、図1では、導体が画面と垂直方向に配線されているので、ここを流れる電流も画面と垂直方向に流れることとなります。

ここまでで、図1において人差し指が下方向、中指が画面と垂直方向となっていると思います。関節がおかしくなりそうという声が聞こえてきそうですが、無理しないようにお願いしますね(^-^;

 では、このときの親指の向きは・・・・?画面に向かって右方向を指し示しているではありませんか!つまり、磁束B、電流i、ローレンツ力Fのうちどれか2つの方向がわかれば、残り一つの方向もわかるということです。フレミングの法則って、便利でしょう?

 

◆ローレンツ力の求め方

 ついでに、このローレンツ力Fの大きさの公式も見ておきましょう!

 

ローレンツ力F[N]=電流i[A]×磁束密度B[T]×導体の長さl[m]

 

 ここで、電流iとは導体に流した電流のことです。また、磁束密度とは、単位面積あたりの磁束のことですね。そして、lは電流が流れる導体の長さのことです。

 ここで、式では磁束ではなく磁束密度Bを採用する理由は、単位面積あたりの磁束密度を用いることで、交差する導体に合わせやすくすることができるわけですね。

 

 誘導電動機と同期電動機の違いは、簡単に言えば、このフレミングの法則に則て回転しているかどうか、です。では、それぞれ見ていきましょう!

 

2.誘導電動機のしくみ

 

 ずばり、誘導電動機は先ほどのローレンツ力を利用して回転しています。つまり、フレミング左手の法則に則って回転するというわけです!

 では、ここで、非常に簡単なのですが、誘導電動機の原理図を図3に示します。

 図3

3 誘導電動機の原理図

 

 まあ、図1とほとんど同じなのですが、紫の線で回転子の回転方向を示しておきました。画面の上から下に向かって磁束が流れています。さらに、画面と垂直方向に電流が流れています。すると、ローレンツ力は・・?画面に向かって右方向に回転しますね。よって、誘導電動機もローレンツ力と同じ方向に回転します。

 よって、ローレンツ力を利用して回転していることが、同期電動機との違いの一つとして挙げられるでしょう!

 

3.同期電動機のしくみ

 

 では、今度は同期電動機について見てみましょう。同期電動機の回転原理は、ローレンツ力ではありません。磁石の吸引力によって回転します。では、これまた非常に簡単な同期電動機の原理図を図4に示します。

 図4

3 同期電動機の原理図

 

 同期電動機の回転子は、磁石になっています。そして、その周りを囲むように磁性体が配置されていますよね。この磁性体は、図中の青い線で示した磁束を発生させます。この周りの磁石が磁束を発生させれば、真ん中の回転子はその磁力に引っ張られることとなります。この周囲にある磁石が、順番に磁束の向きを変えれば、回転子も、それにつられてくるくるまわると思いませんか?

◆同期電動機における磁束の発生のさせ方


 では、どのように磁束の向きを変化させるのでしょうか?ここで、電気が大活躍します!ここで、三相交流を思い出してみましょう。

図5


5 三相交流の電流波形

 

5は、横軸が時間で、縦軸が電流の大きさを表すグラフです。三相交流では、位相が120°ずつずれた電流が流れるのでした。ここでポイントがあります。磁束は導体を流れる電流と同じ位相で発生します。つまり、磁束の波形も、図5の波形と同じように120度ずつ位相がずれた波形となりますね。では、各相の電流とそれによって発生する磁束を見てみましょう。図6を見てください。

図6

6 各相の電流と磁束

 

 図6も、先ほどと同じく横軸が時間、縦軸が電流を表すグラフです。下記の式を見てください。

式1

B:磁束密度[T]

μ0:真空の透磁率[H/m]

I:電流[A]

r:電路からの距離[m]

 

 この式は、導体を流れる電流Ir[m]離れた場所に作る磁束密度Bの大きさを表した式です。この式に関する細かい説明は今回は省きますが、この式からわかってほしいことは、磁束は電流に比例し位相が同じということです。よって、わかりやすいように、図6は時間と電流のグラフにしてみました。

 では、図6を見てみましょう。電流の瞬時値が正の時(図6で赤丸で囲った領域)は、プラス方向に磁束が発生します。逆に電流の瞬時値がマイナス(緑枠で囲った領域)のときはマイナス方向に磁束が発生します。これは先ほどの式からもわかりますよね。だって、磁束は電流に比例しているんですから、電流の瞬時値が正のときは磁束も正、負のときは磁束も負です(^^♪

 では、もう少し詳しく図6を見てみましょう。u相とw相の電流波形を見てください。u相の電流が正のとき、なんとなくw相の電流は負になっているように見えませんか?これで、磁束の正と負の対極の関係を作ることができそうですよね!磁束は、正から負の方向に流れていきます。ちょうど、N極からS極に向かって流れていくように。そして、その磁束を少しずつずらしていくことで、対極の関係を作り、回転させていくことができる、というわけです。

 これが同期電動機の原理です。誘導電動機のようなローレンツ力ではなく、磁束をコントロールして回転させているのがわかりましたでしょうか?(^^

 

4.まとめ

 

 では、ここでまとめです。

 

 ・フレミング左手の法則は、磁束、電流、ローレンツ力の方向関係をわかり易くしたもの

 ・誘導電動機は、ローレンツ力を利用して回転する

 ・同期電動機は、磁石の吸着力を利用して回転する。

 

 以上です。

 いかがでしたでしょうか?とても簡単に書きましたが、誘導電動機と同期電動機の違いを分かりやすく書いてみたつもりです(^^

 今回はわかり易くするため、原理図には磁石を用いましたが、実際は磁石ではなく、電気現象を利用して磁束を発生させたりします。ですが、それについてはまた別の記事で書きたいと思います。

 この記事が皆様のお役に立てば幸いです(^^