みなさんこんにちは!
今回は、ラプラス変換を用いた微分方程式の例を扱っていきたいと思います(^^♪
では、さっそく見ていきましょう!
目次
1.今回扱う例題
①特性方程式が2次式の場合1
②特性方程式が2次式の場合2
③特性方程式が3次式以上(2次式+1次式以上の組み合わせ)の場合
④特性方程式が()のn乗の形の場合
2.例題の解説・基本的な部分分数分解のやり方
1.今回扱う例題
下記の分数について、それぞれ部分分数分解してみましょう(^^♪

2.解説・基本的な部分分数分解のやり方
それでは、上記の例題について解説していきます。
その前にちょっと補足しておきます。この項では、「数式を特性方程式の次数」によって分類しています。下記の式を見てください。
特性方程式は、分母ですので、下記のようになります。
この特性方程式は2次式ですので、「特性方程式が2次式の場合」に該当します。特性方程式の次数や形によって、どのように部分分数分解するかが少し変わってきますので、それらを分類して見る必要があるのです。
それでは、見ていきましょう(^^♪
①特性方程式が2次式の場合1
下記の黒字の分数は、赤い字で示した分数のように分解することができます(^^♪

このA、Bがわかれば、このの分数を2つの項に分けられる、というわけですね!では、このA、Bを求めましょう!
まず、Aから求めます。下記のステップで求めることができます。
a.Aの分数が∞になるsを考えます。s=0のとき、無限になりますね。
b.式1の分母のうち、Aの分数の分母になっている部分を隠す。
c.隠した状態で、aで求めたsを代入する。これで求まった値が、Aである。
ちょっとわかりにくかったかもしれないので、実際に式で説明しましょう。
よって、式1は下記のように分けることができました(^^♪

①の解説は以上です。
②特性方程式が2次式の場合2
黒い字で示した分数は、赤い字で示した分数のように分解することができます。

では、先ほどと同じステップでAおよびBを求めます(^^♪
よって、先ほどの式は下記のように部分分数分解できることがわかりました(^^♪

今回もう一問やったのは、要するに分子にもsがあれば、そちらにも代入するのを忘れないでね、ってことです(*^^*)
③特性方程式が3次式以上(2次式+1次式以上の組み合わせ)の場合
では、今度は特性方程式が3次式の場合の部分分数分解です。
下記の分数を部分分数分解してみましょう。ちなみに、この分解方法は覚える必要があります。

分母に注目すると、特性方程式は3次式になっていることがわかりますね。この形の場合は、部分分数分解したあと、つまり上の式の右辺の、分母が二次式の方、つまり赤い字で示した分数の分子を1次式にする必要があります。よって、この形になります。
このように分けられるんだ、ってことで暗記してしまいましょう!(^^♪
部分分数分解した後の係数A、B、Cの求め方は、①のときと一緒ですから、当てはめていきましょう(^^♪
ちなみに、この部分分数分解では、jで表される虚数が出てきます。虚数がわからない方がいらっしゃるかもしれませんが、ひとまず「ルート-1で、2乗すると-1になる数字」と覚えておいてください。
ここで、As+Bにs= j
複素数の性質から等式の両辺の実数項の係数同士と、虚数項の係数同士は等しいので、AおよびBはそれぞれ下記のように求めることができます。

Cも同様に求めます。

これで、部分分数分解は下記のように求めることができました。

③の解説は以上です。
④特性方程式が()のn乗の形の場合
これは例えば下記のような場合です。
このタイプの分数は、下記のように部分分数分解することができます。

これも、覚えてしまいましょう。
では、例題の答えです。黒で示した例題の分数は赤い字で示した分数のように分解することができます。

では、このA1とA2およびBを求めましょう。
まず、代入法でできるところまで求めましょう。
A2(分母がn乗になっている項の分子)とBはこれまで使ってきた代入法で求めることができます。
Bも同様に求めます。
さて、ここまででA2=-3,B=3と求まりました。
では、残りのA1を求めましょう。ここで、A1、A2、Bで表した3つの分数を通分します。

ここで、赤い字で示した分子の式ともとの分子との間で下記のような等式が成り立ちます。
ここで、両辺の次数が同じ項の係数同士は等しいから、下記の等式が成り立ちます。

ここで、A2とBはすでに求まっていますね。よって、①からA1はすぐにわかります。まとめると、下記のようになります。

よって、部分分数分解は下記のようにできるわけです。

④の解答は以上です。
今回は、代入法と、分子の係数を比較する方法を組み合わせて部分分数分解をしました。
実は、この分数は最初から分子の係数を比較する方法を用いて部分分数分解ができます。ただ、そうすると計算が結構複雑になってしまいます(^-^;
ですので、代入法と、分子の係数を比較する方法を組み合わせて計算するのが、計算が楽でいいのではないかと思います(^^♪