皆さんこんにちは!
今日は工学部性にとって基本中の基本といっても過言ではない「微分」について解説したいと思います。
微分については、数学的な操作はわかるものの、その幾何学的な意味があまりわからない方もいらっしゃるかもしれませんので、この記事が少しでも参考になると幸いです!もちろん、高校生や大学生(文系、理系)の方でこれから微分を学ぼうとする方にとっても参考になるのではないかと思います(^^♪
目次
0.微分を学ぶための準備
1.導関数とは?
2.yの変化量とxの変化量を求める。
3.Lim(h→0)の意味とは??
4.どうして、hの極限が必要なのか?
5.導関数を求めることが微分!
6.まとめ
0.微分を学ぶための準備
微分を学ぶのに必要な関数の表し方について、解説しておきます。わかっている方は読み飛ばしてもらっても支障ありません。
中学数学などでは、一般的に関数は下記のように表されました。
y=ax
これは、yと変数xの関係を表した式ですね!
しかし、この記事では、この関数を次のように表します。
f(x)=ax
このfは関数という意味の英語、functionから来ています!
Fの横の()の中は、”変数”の値を表しています。つまり、この関数はxが変数になっていることがわかります。
また、()に数字を入れることによって、変数に代入する値を表すことができます。例えば、
f(2)=2a
Xのあった位置に2が代入されました!
これは、変数に2を代入しますよ、という意味です。また、こんなこともできます。
f(x+h)=a(x+h)
Xのあった位置に、(x+h)が代入されました!
このように、f(x)の表記を使うことによって、変数に何を代入しているのかを知ることができます。
簡単に解説しましたが、これで微分を学ぶ準備は完了です!
1.導関数とは?
先に導関数について説明しましょう。「微分と関係あるの?」って思う方もいるかもしれませんが、「微分の核心」にあたる部分です。だって、微分は「導関数を求める」事なんですから!
導関数とはずばり、「ある関数の傾き」です!
傾きって、関数y=axでいうところの傾きaで定数でしたよね!
ここで、f(x)=ax、つまりy=axのグラフを図1に書いてみましょう。
図1 y=axのグラフ
この関数の傾きaは、次の式で求めることができるのでした。
これが傾きです。「なんだぁ~もう中学生で勉強したことじゃ~ん」と思った方もいらっしゃるでしょう。
はい、そのとおりです。ただし、これは関数f(x)の変数xが一次式のときです。
では、次に下記の関数の傾きを求めてみましょう。
f(x)=x^2(xの2乗)
こんどは二次関数になりました。この関数のグラフを図2に描いてみます。
図2 f(x)=x^2グラフ
このグラフの傾きは何でしょうか?x^2の係数が1だから、1だと思いましたか?
おしい!ちょっと違います!
では、数学的に傾きを求める前に、視覚的に二次関数の傾きの性質を見てみましょう!図3を見てください。
図3 f(x)=x^2傾き
わかりましたか?
二次関数って、xの絶対値が大きくなればなるほど、急になっていく、つまり大きくなっていくんです!この性質は、3次以上の関数になると、より顕著になります!
ここで、図1の一次関数のグラフを見てみると、視覚的に見てどの区間でxとyの変化量をとっても、傾きは同じですよね?いや、同じなんです!直線なので!
これらのことから、一次関数と2次以上の関数の傾きについて、次のことがわかります。
・一次関数の傾き→xが変化しても一定
・二次以上の関数の傾き→xが変化すると傾きも変化する。
「じゃあ、二次以上の関数の傾きは求め方が違うの?」ってなると思いますが、そんなことはありません!先ほどの考え方は十分通用しますよ!ただし、数学的な操作が少し違ってくるので、注意が必要です!
それじゃ、導関数の導出式を見てみましょ!

うわぁ、なんか変な記号がたくさん出てきた、、、大丈夫です!ひとつひとつ解説しますので!
まず、左辺にあるf’(x)ってどういう意味でしょう?なんかfの右肩に点のようなものがついてますね。
まあ、これは「f(x)の導関数だよ~」くらいの意味でとらえておいてください(‘ω’)
では、右辺の一番左にあるlimは?
これは、極限のlimitという意味ですが、詳しくは後程解説します!
じゃあ、その右の分数は何を表しているのでしょうか?
これこそまさに先ほどの傾きの式です!次の項で詳しく見てみましょう!
2.yの変化量とxの変化量を求める。
さて、導関数の分数の意味を考えてみましょう。
先ほど、これは傾きの式だと書きました。もう一度傾きの式を見てみましょう。

ではこの式に当てはめていきます。
ここで、xの変化量をhとしましょう。そのとき、下記の図4を見てみましょう。
図4 f(x)=x^2のグラフ
このグラフでは、変数xの値はxから(x+h)まで変化しています。
変化量は、(変化後の値-変化前の値)で求めることができるので、
{(x+h)-x}=h
と求めることができますね!これで傾きの式の分母であるxの変化量は決まりました!
では、次にyの変化量を求めましょう!
まず、変数の値がxであるときのyはどのように求められるでしょうか?
f(x)=x^2
ですね!
つぎに、変数の値が(x+h)の時のyの値を求めましょう!
f(x+h)=(x+h)^2
ここで、先ほどの導関数の式をもう一度見てみましょう!

これで、右辺の式は、中学生の時に習った一次関数の傾きの式と同じ考え方であることがご理解いただけたかと思います(^^♪
つぎに、もう一つの謎、limについて見ていきましょう!
3.Lim(h→0)の意味とは??
Limは英語のlimit、「極限」という意味です。ここでいう極限とは、「ある数字に限りなく近い(でもイコールではない)」という意味です。今回の場合は、h→0と書かれていますので、「hは0に限りなく近い。でも0ではない」という何とも微妙な数値を表しています。限りなく近いけど、0ではないので、h=0とは意味が違います!
では、0に限りなく近いけど、0じゃないって、具体的にどうゆう数値でしょうか?
1ではありませんよ!0.1でもありません!具体的に書くのは難しいんです。限りなく0に近いので、、、
0.00000000000……………01
のようになりますかね?具体的に書くのは無理でしょう?なので、limという記号を使うんですね!
4.どうして、hの極限が必要なのか?
前項で、極限limの意味について解説しましたが、どうしてhの極限が必要なのでしょうか。。
ここで、hが大きすぎる場合とhが極限をとった場合を図5と6で比較してみましょう。
図5 hが大きい過ぎる場合の傾き
図6 hを限りなく0に近くした場合
図5のように、xの範囲が大きい、すなわちhが大きいと、緑色の線は視覚的にf(x)の傾きを表しているとは言えませんよね。逆に、図6のようにhを限りなく0に近づけた(ただしイコール0ではない)場合、その点での傾きにより近いと言えますね!
また、hが0になってしまうと、xの変化量は0ということになり、yの変化量も0ということになってしまいますから、傾きを求めることができません。つまり、hは「0に限りなく近い値(けど0じゃない)」値が必要なのです!
よって、導関数の式を下記のように導くことができました。

5.導関数を求めることが微分!
また、この「導関数を求める」という操作を、「微分」といいます!
微分は、式中でいろいろな表現のされ方をするので注意してください!下記の記号、ぜーんぶ「f(x)を(xで)微分する」という意味です!
・導関数とは、関数の傾きのこと
・関数の傾きを知るには、xの変化量を限りなく0に近づけることが必要である。
・limは、「ある変数を限りなく0に近づける」という記号である。
・導関数を求める数学的な操作を、「微分」という。
以上で、微分の概念についての説明を終わります。次の記事では、具体的な計算例について書いていこうかと思います。もしわからないことなどあれば、ぜひコメント欄に書いてくださいね(*^^*)
この記事が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです(^^)/